ビオチン


...ビタミンの一つである「ビオチン」について解説しています。

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ビオチンの概要
別名

ビタミンB7・ビタミンH
補酵素R

化学名

ビオチン

性質

水溶性

相性のいい栄養素

ビタミンB郡



ビオチンの特徴

●ビオチンは糖質・脂質・たんぱく質の代謝促進や皮膚炎の予防、脱毛・白髪の予防などの作用を持っています。

●ビオチンが別名「ビタミンH」と呼ばれるのは元々皮膚炎の予防に効果あるとして発見されたためです。Hはドイツ語で皮膚を意味する「Haut」の頭文字です。

●ビオチンは世界的にみると注目されてきている中で日本では未だ食品添加物の使用も認められていません。サプリメントも低い位置で上限が決められています。

●ビタミンB郡はそれぞれの作用を助ける働きがあるため全て一緒に摂取した時に最も高い効果を発揮します。その中でもビタミンB1・B2・B6を同じ量摂取した時が最も効果が高くなります。


●
乳児のアトピー性皮膚炎との関係

ビオチンは皮膚との関わりが深いと記述しましたが、乳児がアトピー性皮膚炎になるのは、まだ未熟なため生産・吸収力不足からビオチンが不足しやすいからだといわれています。日本では食物添加物としての使用が認められていないため粉ミルクなどには未だ含まれていませんが、いずれビオチン含有の粉ミルクが出てくることでしょう。

●
アレルギー性皮膚炎との関係

アレルギー性皮膚炎はチリやダニなどのアレルギー物質により細胞が刺激されヒスタミンという化学物質が放出されるため皮膚炎を引き起こします。ビオチンはこのヒスタミンの元になるヒスチジンを体外へと排出する働きを持っています。


多めの摂取を心がけた方がいい人

●過度の偏食をしているかたはビオチンが不足しがちなので目安量よりも多めの摂取を心がけましょう。



ビオチンの機能
●
ぶどう糖の再合成を補助

ぶどう糖はエネルギーに変換されたあと乳酸になり肝臓でもう一度ぶどう糖へと変換されます。ビオチンはその変換過程で必要な酵素の補酵素として働いています。この変換が上手くいかなくなると筋肉痛や疲労感などの症状が出てきます。


●
皮膚の形成
乳幼児

乳児はビオチンの生成や吸収能力が未発達なため不足しやすくなります。ビオチンが不足するとたんぱく質の合成や免疫力が低下し皮膚の形成が正常に行われずアトピー性皮膚炎を引き起こしやすくなります。

チリやダニなどによるアトピー性皮膚炎を引き起こす原因の化学物質「ヒスタミン」を体外へ排出する働きがあります。


●
核酸の合成

etc..



ビオチンの効能
●
皮膚炎の予防・緩和

●
脱毛・白髪の予防

●
血糖値の正常値維持

●
生殖器の健康維持

etc..



ビオチンの食事摂取基準

●ビオチンの1日の目安量は成人男性で 50μg 成人女性で 50μg です。


↓食事摂取基準の詳細(クリックで表示します)



ビオチンの過剰摂取
●
要因

ビオチンは過剰に摂取しても速やかに尿から排出されるため通常の食生活で過剰摂取に至ることはなくそのような報告もありません。


症状

なし

etc..



ビオチンの欠乏症
●
要因

腸内でも合成されているため通常の食生活で欠乏症に至るのはまれです。生卵白を1日10個分以上の摂取を長期的にしている方や先天的に酵素が弱い方、過度の偏食などで欠乏症に至ることがあります。


症状
・食欲不振
・吐き気
・悪心
・精神の不安定(うつ)
・筋肉痛
・知覚過敏
・舌炎
・けいれん
・結膜炎
・脱毛
・皮膚の感染
・有機酸の増加

etc..




ビオチンを多く含む食材
●
ビオチンを多く含む食材
順位食材名含有量
1位鶏のレバー232.4μg
2位豚のレバー79.6μg
3位牛のレバー76.1μg
4位イワシ(生)17.1μg
5位あんこうの肝13.4μg
6位大豆(ゆで)11.1μg
7位卵白(生)7.8μg
8位-μg
9位-μg
10位-μg
順位食材名含有量

●
その他(水分量40%以下)

・落花生(乾)

含有量・・

92.3μg



 「多く含む食材」は食材が含む水分量が40%以上のもので集計しています。

(乾物等の水分量が40%以下のものは除外し「その他」として下に記載)

含有量は100g中のものになります。