...ミネラルの一つである「鉄」について解説しています。

HOME >> 栄養素一覧 >> 鉄
鉄の概要
別名

血のミネラル

化学名

-

性質

-

相性のいい栄養素

-



鉄の特徴

●鉄は肉や魚に含まれる「ヘム鉄」と野菜などに含まれる「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄の吸収率は20%以上ですが、非ヘム鉄の吸収率は10%未満で鉄を摂るなら肉や魚からが効率的です。また、非ヘム鉄はヘム鉄との摂取やビタミンC・動物性たんぱく質との摂取により吸収率がよくなります。

●鉄はその多くがヘモグロビンの構成成分として存在しており、これが不足すると上手く酸素が供給されなくなり疲れやすくなったりめまいや頭痛、集中力の低下を引き起こします。


●
鉄の種類

鉄は体内で機能鉄・貯蔵鉄・組織鉄として存在しています。

・機能鉄

血液中や筋肉内に含まれ酸素の運搬などをしている鉄です。

・貯蔵鉄

肝臓に蓄えられており、機能鉄が不足したときにその機能を補うため使われる鉄です。

・組織鉄

髪や爪などの組織に含まれる鉄です。


多めの摂取を心がけた方がいい人

●女性は毎月の生理で鉄を多く消費するため鉄不足になりがちなので多めの摂取を心がけましょう。しかし、男性よりも女性の方が長生きなのは女性の方が鉄の消費量が多いからだという説もあります。



鉄の食事摂取基準

●鉄の1日の推奨量は成人男性で 7mg
成人女性で 6mg(月経なし)10.5mg(月経あり) です。


↓食事摂取基準の詳細(クリックで表示します)



鉄の効能
●
貧血の予防

●
心身の不調の予防(疲労感・動悸・息切れ・消化不良・集中力の低下etc..)

●
乳児の発育不良の予防

●
エネルギー代謝の補助

●
肝臓の解毒作用の補助

etc..



鉄の過剰摂取
●
要因

通常の食生活で過剰摂取に至るのはまれです。サプリメントの摂り過ぎや輸血回数が多い方、過度の飲酒、肝硬変の方は引き起こる可能性があり、アルツハイマー病やパーキンソン病、C型慢性肝炎などは鉄が異常に蓄積されるという研究結果もあります。


●鉄の過剰摂取は2種類あり、先天的または後天的な原因によるものをヘモクロマトーシス、細胞への蓄積が少ない為に臓器障害や機能障害を伴わないヘモジデローシスと呼びます。


症状
・肝硬変
・糖尿病
・青銅肌
・内分泌障害
・無月経
・心不全(末期)

etc..



鉄の欠乏症
●
要因

鉄の欠乏は無理なダイエットや偏食、腸管の吸収力の低下、失血、銅の欠乏、女性の妊娠や月経により至る可能性があります。


症状
・鉄欠乏性貧血
・嚥下障害
・頭痛
・食欲不振
・口角炎
・爪のさじ状化
・学習能力の低下
・むずむず脚症候群
・口内炎
・感染症に対する免疫力の低下
・便秘
・下痢
・冷え性
・乳児の発育不良

etc..



鉄を多く含む食材
●
鉄を多く含む食材
順位食材名含有量
1位豚のレバー13.0mg
2位鶏のレバー9.0mg
3位パセリ7.5mg
4位はまぐりの佃煮7.2mg
5位センマイ(牛)6.8mg
6位豆みそ6.8mg
7位卵黄6.0mg
8位ほや5.7mg
9位あゆ(焼)5.5mg
10位しじみ5.3mg
順位食材名含有量

●
その他(水分量40%以下)

・青のり(乾燥)

含有量・・

74.8mg

・ひじき(乾燥)

含有量・・

55.0mg

・きくらげ(乾燥)

含有量・・

35.2mg

・あさりの佃煮

含有量・・

18.8mg

・煮干し

含有量・・

18.0mg



 「多く含む食材」は食材が含む水分量が40%以上のもので集計しています。

(乾物等の水分量が40%以下のものは除外し「その他」として下に記載)

含有量は100g中のものになります。