ビタミンA


...ビタミンの一つである「ビタミンA」について解説しています。

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ビタミンAの概要
別名

目のビタミン

化学名

レチノイド

性質

脂溶性

相性のいい栄養素

→ビタミンB12



ビタミンAの特徴

●ビタミンAは脂溶性のビタミンです。別名「目のビタミン」とも呼ばれ目と深い関わりを持っています。油と一緒に摂取するのがもっとも効率的で加熱調理に強いビタミンです。

●ビタミンAは体内でレチナールやレチノイン酸に変化し視覚作用や粘膜・上皮細胞の健康維持に関わりを持っています。

●ビタミンAにはA1とA2の2種類があり、それらを総称してビタミンAと呼びます。

ビタミンA1

・レチノール
・レチナール
・レチノイン酸

ビタミンA2

・3-デヒドロレチノール
・3-デヒドロレチナール
・3-デヒドロレチノイン酸

●
β-カロテン

植物に多く含まれており体内でビタミンAに変換され作用します。また、カロテンはビタミンAになる前の物質という意味で「プロビタミンA」とも呼ばれます。
ビタミンAは脂溶性で体にたまりやすく正しく排泄されないと過剰摂取の恐れがありますが、カロテンは体内で必要数のビタミンAに変換されるため、蓄積の恐れがありません。また、変換されないものはカロテンとして別に作用します。

詳しくはこちら β-カロテン
●
レチノール当量

健康.netではビタミンAをレチノール当量で表記しています。レチノール当量とはレチノール量とカロテンが体内でビタミンAとして働くときの換算量を合算したものです。

計算式は以下の通りです。
レチノール当量(μgRE) = レチノール(μg) + 1/12 × βカロテン当量(μg)

ちなみにβカロテン当量(μg)は以下の通りです。
βカロテン当量(μg) =
βカロテン(μg) + 1/2αカロテン(μg) + 1/2クリプトキサンチン(μg)



ビタミンAの機能
●
目の機能維持

目には色を見分ける錐体細胞や明暗を見分ける杆体細胞がありそれらの構成物質の中にビタミンAが変化したレチナールが含まれています。

ビタミンAが不足するとこれらの機能が低下し夜盲症や暗順応に遅れが出てきます。

●
皮膚・粘膜の健康維持

ビタミンAは上皮細胞の健康維持に欠かせない栄養素です。上皮細胞とは皮膚や粘膜のことで、感染症などから体を守っています。

●
がんの抑制

細胞が異常増殖するとがんの原因の一つとなります。ビタミンAは細胞が異常に増殖しないよう細胞の管理や調節する機能(アポトーシス)を正常に保ちます。

etc..



ビタミンAの効能
●
視力低下・視覚機能低下・暗順応の予防

●
免疫力の向上

●
感染症の予防

●
がんの抑制

etc..



ビタミンAの食事摂取基準

●ビタミンAの1日の推奨量は成人男性で 850μg 成人女性で 650μg です。


↓食事摂取基準の詳細(クリックで表示します)



ビタミンAの過剰摂取
●
要因

ビタミンAは通常の食生活で過剰摂取に至ることはありませんが、サプリメントなどで摂取しすぎると体に蓄積されやすく過剰摂取になる可能性があります。

他にも大型の動物や成魚のレバーを大量に食べると数時間で過剰摂取の症状が現れます。摂取を控えると2日ほどで症状はおさまります。


症状
・全身倦怠感
・激しい頭痛
・吐き気
・嘔吐
・めまい
・下痢
・骨や四肢の痛み
・鼻血
・皮膚の剥離
・かゆみ
・色素沈着
・食欲不振
・脱毛
・睡眠障害
・頭蓋内圧亢進

etc..



ビタミンAの欠乏症
●
要因

ビタミンAやカロテンを吸収する機能が慢性的に不全な場合に欠乏症に至る可能性があります。


●
重度の症状

重度になると目の細胞が未熟になり潰瘍ができたり角膜軟化症を発症し角膜が破壊され水晶体が飛び出すなどを引き起こし失明することもあります。


症状
・夜盲症
・感染症に対する抵抗力の低下
・発育不良
・骨・歯の発育不良や変形
・皮膚や粘膜の角質化
・皮膚の異常乾燥
・色素沈着
・生殖機能障害

etc..



ビタミンAの中毒
●
要因

サメやマグロ、クジラ、シロクマなどの肝臓を食べ過ぎると食中毒になります。中毒症状は食後30分〜12時間でほとんどの場合短時間で引き起こします。


症状
●
初期症状

激しい頭痛や嘔吐、発熱を引き起こす。これらは比較的すぐに回復します。

●
中期症状

中毒後、1日〜6日後に顔の皮膚がはがれ落ち、それが手足などの全身に広がります。

●
末期の症状

約1ヶ月で全身の皮膚がはがれます。



ビタミンAを多く含む食材
●
レチノールを多く含む食材
順位食材名含有量
1位鶏レバー14000μgRE
2位豚レバー13000μgRE
3位あんこうの肝8300μgRE
4位うなぎの肝4400μgRE
5位レバーペースト4300μgRE
6位ホタルイカ1500μgRE
6位うなぎの蒲焼き1500μgRE
8位ギンダラ1100μgRE
8位牛レバー1100μgRE
10位穴子890μgRE
順位食材名含有量

●
その他(水分量40%以下)

・マーガリン

含有量・・

1800μgRE

・フォアグラ

含有量・・

1000μgRE

・バター

含有量・・

500μgRE


●
βカロテンを多く含む食材
順位食材名含有量
1位しそ880μgRE
2位モロヘイヤ840μgRE
3位にんじん680μgRE
4位パセリ620μgRE
5位バジル520μgRE
6位ほうれん草(ゆで)450μgRE
7位春菊(ゆで)440μgRE
7位よもぎ440μgRE
9位春菊(なま)380μgRE
10位大根(葉)370μgRE
順位食材名含有量

●
その他(水分量40%以下)

・味付き海苔

含有量・・

2700μgRE

・抹茶(粉末)

含有量・・

2400μgRE

・焼き海苔

含有量・・

2300μgRE



 「多く含む食材」は食材が含む水分量が40%以上のもので集計しています。

(乾物等の水分量が40%以下のものは除外し「その他」として下に記載)

含有量は100g中のものになります。